みなさんこんにちは、iae留学ネット・オーストラリア担当です。

以前ご案内をさせていただいたオーストラリア・シドニーでのワーキングホリデー体験談の続きを書かせていただきます。

オーストラリア・ワーキングホリデー滞在中のアルバイトや、マッコーリー大学、モナシュ大学の研究室にお邪魔したときのお話、そしてオーストラリア・シドニーで就職活動したときの話をさせていただきます。

ワーキングホリデーでアルバイト、オーストラリア・シドニーの日本食レストラン

タスマニア旅行から帰ってきてすぐ仕事を探しました。見つけたのは同じくマンリービーチ近くの中国系アジア料理店のキッチンハンドでした。

しばらく続けていましたが、語学学校を卒業したため、英語を話す機会が減ってきていると感じ、アジア料理店のキッチンハンドをやめ、ウェイターの仕事を探すことにしました。

日本でもウェイターのアルバイト経験がないうえに、ローカルレストランではアジア系はウェイターやウェイトレスになるのが難しいので、ジャパレスのウェイターの仕事を探すことにしました。

雇っていただいたのはNeutral BayのSushi Trainでした。Sushi Trainでは帰国直前までお世話になりました。

ジャパレスでのウェイターの仕事探しに加えて、オーストラリア人が経営するローカルレストランでのキチンハンドの仕事も同時に探しました。

その際に、日本人の友人の友人の紹介でオーストラリア人が経営するピザバーでキッチンハンドとして雇っていただくことになりました。

ピザを焼いたこともない私が一人でピザ生地から作ることになりました。予想通りたくさんの失敗をしました。

一番大きな失敗は、オーブンの中でピザをこぼし、そこから煙が出て、キッチンだけでなく一部の客室にも煙が回り、キッチン及び一部の客室をクローズすることになってしまいました。

それでもそのオーストリア人の経営者、名前はアドリエルというのですが、しばらくの間私を雇ってくれました。

また、気候が秋めいてきたところでManlyビーチからシドニーシティに引っ越そうと考え、仕事をあと2週間でやめさせてほしいといった時も、アドリエルはこれまでの私の働きぶりに感謝の意を示してくれました。

建前だったのかもしれませんが、非常にうれしかったです。

マッコーリー大学及びモナシュ大学研究室訪問

オーストラリアのワーキングホリデーには大学院を休学していったのですが、ワーキングホリデーに行くと決めたことを私が所属していた大学の研究室の教授に伝えたところ、せっかく行くのだから、私がやっている研究に近いことをしているオーストラリアの大学の研究室を訪問してできれば働かせてもらえばどうか、というアドバイスを受けました。

そこで、オーストラリア滞在中に私の大学の研究に近いことをしている研究室の教授に片っ端からメールを送りました。

その結果、訪問できることになったのがマッコーリー大学とモナシュ大学の研究室でした。

マッコーリー大学の研究室訪問

Macquarie大学

最初に訪問したのはマッコーリー大学の研究室でした。

大学4年の時に学会で発表した研究の概要を2ページにまとめ、英語に訳し、研究室訪問の際に持っていきました。

かなり緊張しましたが、やはり専門性が近いと話が早く、大した英語力は必要ありませんでした。

研究について2~3言話すと、だいたいのことを理解してくれました。

何かしら仕事はないかと聞きましたが、やはり何も後ろ盾のない私を雇うのは難しいといわれ、学生としてこの大学に入ることを勧められました。

グループオブエイトの1校、モナシュ大学の研究室訪問

モナッシュ大学

次に訪問したのがオーストラリアの名門8大学、グループオブエイトの1校であるモナシュ宇大学でした。

この研究室の教授も例にもれず、研究について2~3言話すと、ほとんどのことを理解してくれました。

ここでも仕事はないかと聞きましたが、やはり雇うのは難しいといわれました。

しかし代わりに1週間研究室を見学してもよいと言っていただきました。

モナシュ大学のこの研究室には、1か月後に再度訪れ、1週間研究室で実施される実験を見学させてもらいました。

大学での私の専門は脳科学でしたが、Monash大学のこの研究室が専門とする医学的な目的ではなく、どういった色や環境が人にとって心地よいかを考えるデザイン的な目的でした。

なので、モナシュ大学のこの研究室での実験は私にとって目新しものでした。

実際に自閉症やアスペルガーの被験者の脳波やMRIを測定しており、その被験者と話すことができました。

自閉症やアスペルガーの方の言動は本などで理解していましたが、実際に話して感じることには到底及びませんでした。

大学研究室訪問からの学び

これら大学の研究室の訪問で学んだことは、会話の専門性が高くなればなるほど英語が話せる話せないは大きな違いではなくなることでした。

このことは今の私の仕事でも生かされています。

現職はストレージ搭載OSの製品企画で、ストレージの仕様についてかなり専門的な話を英語ですることがあります。

その際にエンジニアと協力して海外販社の担当者と話すのですが、たとえエンジニアの英語力が高くなくとも、専門性の高さから大まかな方向性は理解でき、また、相手の話すいくつかの単語を拾うことで相手が何を考えているのかを理解することができています。

私にも同じことが言えます。

私は帰国子女ではないので英語力は外国人が話す英語の域を出ることはありません。そのため、日常会話や冗談などを英語で理解するのは難しいですが、同じ仕事を同じような目的意識でやっている人同士であれば、外国人が話す英語でも全く問題ありません。

この感覚を学生時代に得ることができてよかったと考えております。

また、現職のストレージ搭載OSの製品企画に就くことができたのも、この経験が大きかったと考えております。

シドニーで就職活動開始

オーストラリアでのワーキングホリデーも終盤に差し掛かり、アルバイトを続ける毎日もマンネリ化してきたときに、ちょうど目に飛び込んできたのは日系企業でのSEのインターンシップ生の募集でした。

ある日本向け求人情報Webページに掲載されていたのですが、その他の求人情報のほとんどは、レストランなどのアルバイトだったので、SEのインターンシップ生の募集情報が掲載されていることに非常に驚きました。

同時に、帰国後に就職活動が待っていることも頭にあったので、募集しました。

そこからはとんとん拍子でした。2~3日で担当の方から電話があり、簡単な筆記試験を受け、その1週間後に面接を受けました。

その面接の日の夜に担当者の方から電話があり、日本で実施予定のインターンにぜひ参加してくれないかと打診を受け、二つ返事で、いきます、と答えました。

この3週間後、日本に帰国しインターンシップ生としてその日系企業に2週間お世話になりました。その1年半後、この日系企業の親会社に就職し、今に至りますが、このインターンシップの経験は、就活の面接で非常に有効でした。

特に、就活のESや面接で一番難しいのは志望動機なのですが、このインターンシップの経験をそのまま話すことができました。

話を戻します。このインターンシップに採用されたことでそのあとの就職活動での成功につながったのですが、採用されたのは面接で自信をもって「英語を使って仕事ができます」と答えることができたからだと考えております。

そして、これを自信をもって言えたのは研究室訪問で学んだ、会話の専門性が高くなればなるほど英語が話せる話せないは大きな違いではなくなること、があるからでした。仕事はそのドメインのスペシャリストになることと考えていたため、そのドメインの知識がつけば、問題なく英語を使って仕事ができる自信がありました。

日本帰国後とその後

帰国後は前述のとおり就職活動に励み、大学院の残りの課程を修了させ、2015年4月より現職であるストレージ搭載OSの製品企画として働いています。

帰国後の大学院では修士論文を仕上げることが一番の目的でしたが、英語が少しできる、もしくは積極的に話そうとすることができる、ということから専門外の授業のティーチングアシスタントも経験し、そこからさらにデザインワークショップも紹介いただきました。

参加したデザインワークショップで私のチームが賞を受賞し、その成果を大学にアピールして奨学金返還を半額免除にしたり、と、ワーホリでの経験をフルに生かすことのできた大学院生活でした。

オーストラリア・シドニーでのワーキングホリデー留学体験談まとめ

オーストラリアでのワーキングホリデー中には様々な経験ができました。ここには書ききることができていませんが、たくさんの人に助けていただき、ワーキングホリデー生活を楽しむことができました。

ただ、ワーキングホリデーで学んだことの中で一番意義があったと感じるものを一つ上げるとすれば、オーストラリアの大学の研究室訪問で感じた、会話の専門性が高くなればなるほど英語が話せる話せないは大きな違いではなくなること、です。

専門性という言葉は学問や仕事を想起しますが、スポーツも極めると専門性が高くなりますし、付き合いの長い人と共有している思い出なども専門性の高いものと考えることができます。専門性とはどんな事にも当てはめることができます。

これからどこかの国でのワーキングホリデーを考えている方に向けてアドバイスがあります。それは「自分の専門性を最大限に活かし、コミュニティに入り込むこと」です。

ワーキングホリデー生活の良し悪しを考えるときには言語力に目が行きがちですが、自分の持つその他のリソースにも目を向け、最大限に活かす方法を考え、よりよいワーキングホリデー生活及びその後の人生やキャリアにつなげていってほしいと考えております。