留学したい!と思った時、行き先や学校選びももちろんですが、費用についても悩んでしまいますよね。抑えられる出費は抑えたい、というのが本音だと思います。

でも、私の経験上絶対におろそかにしてはいけないのは、留学生保険。私はパリに留学するときに日本で留学生保険に加入して渡仏したのですが、「入ってきて本当に良かった!」と思う体験をしました。その時のエピソードをご紹介しましょう。

突然の腹痛…アメリカンホスピタルへ急げ!

パリでの留学生活が2年目に入った頃でした。友人の家でフェットと呼ばれるホームパーティーを開いていた時のことです。少しお腹に違和感があり、アペリティフも進まないままおしゃべりをしていました。

しかし徐々に腹痛は強くなり、その痛みの種類もそれまで経験したことのないものでした。座っていられなくなり、ベッドに横になっても痛みは増すばかり…。「顔青いよ、大丈夫?」と言われた頃には身動きするのも辛くなっていました。

なんとか病院に行くことにし、留学生保険が提携していたアメリカンホスピタルに電話をすると、すぐ来るように言われました。友人にパスポートを取りに家に行ってもらい、タクシーで病院に向かいました。

アメリカンホスピタルとは

突然の腹痛…アメリカンホスピタルへ急げ!

アメリカンホスピタルとはパリの西郊外ヌイイにある私立病院で、有名人がかかっていたり出産したりという、いわゆるセレブな病院です。日本の海外旅行保険や留学生保険などとも多く提携していて、加入者はキャッシュレスで診察が受けられ、日本語通訳サービスなども整っているとのことでした。

病院としては立派な作りと、働いているスタッフの笑顔が少ないフランスとは思えないほど柔らかできちんとした対応でした。

医療用語がわからない!でも安心のサービス

フランスに暮らしていても、私は語学学校には通っていない音楽留学生だったこともあり、それほどフランス語は得意ではありませんでした。特に医療用語となるとさっぱりと言っていいほど。これからの診察を思うと、増す腹痛とは別に、緊張で手が震えてきそうでした。

病院に到着したのは深夜0時ごろ。それでも通訳サービスは受けられるのか…と不安に思っていると、医師がやってきました。そしてゆっくりと丁寧なフランス語で診察と説明をしてくれ、英語も交えてくれました。それから電話での日本語通訳サービスが受けられたのです!安心したのは言うまでもありません。

結果はなんと虫垂炎。当時27歳だった私が盲腸になるなんて思ってもいなかったので、かなりの驚きと、これからの不安でいっぱいでした。その夜は点滴を受けてそのまま入院しました。

程度は重くないとのことだったので、私は薬での治療を希望しました。なぜなら大事な試験を3日後に控えていたからです。ですが、翌日日本人医師が往診してくれ、手術を受けるようにと説得されました。

盲腸とはいえ人生初めての手術、それがフランス…!あまりよくある話ではありません。

手術も入退院も全てカバー

すぐに手術の準備がされ、無事終了しました。4日ほど入院しましたが、保険を使っての治療だったので、退院時はキャッシュレス。病院までの往復のタクシーや医薬品代ももちろん払い戻しされました。

個室ではNHKのテレビ番組を見ることもできる、対応の素晴らしいセレブな病院で治療を受け、4日間の入院をし、一切の費用がかかりませんでした。私はおなかの手術でしたので食事は簡単なものでしたが、普段の病院食は公立とは比べ物にならない豪華さだそうです。

アメリカンホスピタルは入院一泊45万円前後と言われていますし、もし自費であったら、手術費用も合わせて想像したくないほどの高額医療費だったでしょう。「ならば公立病院に行けばよかっただろう」思われるかもしれませんが、公立でも費用はかかりますし、このあと紹介するセキュリテソシアルに加入していても、自己負担がかなりあります。

そして、この数年後に別のいくつかの公立病院に入院することがあり、その時になってわかるのですが…。この病院スタッフの対応は、フランスではありえないほど素晴らしいものでした。日本に比べて快適とはいえない病院がほとんどのフランスで、ストレスやトラブルを受けることなく入院・手術が受けられたのは、やはりこの病院だったからだと思います。

そのほかの医療保険

そのほかの医療保険
留学生保険以外にも、日本語でサポートが受けられる保険として、クレジットカードの付帯保険があります。ですが、それだけでは事故や病気などの際に全てをカバーすることはできません。

もちろん、フランスで保険に加入することもできます。フランスの政府認定高校教育機関に一定期間登録する学生は、学生健康保険(セキュリテ・ソシアル・エテュディアン)に加入する義務があるのです。6割ほどが払い戻しされ、保険料は年間約200ユーロです。ちなみに3ヶ月未満の短期滞在の場合は加入できません。

ですがセキュリテ・ソシアルに加入するには、中級程度のフランス語力が必要です。何かと予定通りに書類作業が進まない国フランスなので、何度も足を運んだり電話で問い合わせをする必要が出てくる可能性も高いのです。

言葉に自信がないのであれば、日本語で相談できる留学生保険にあわせて加入することを、私は強くお勧めします。

まとめ

気をつけていても起きてしまう、病気や事故。いざという時に慌てないためにも、安心できる保険に加入しておくことが大切ですよね。留学生活にいくら慣れてきても私たちは外国人ですから、とっさの時に頼れる日本語サポートがあることは、本当の意味で「保険」になります。

充実した留学生活のために、保険のこともしっかり準備していってくださいね!iae留学ネットでは損保ジャパンとの提携で安心の留学保険をご紹介できますよ!