この体験記は2000年の話です。現在ではだいぶ状況が変わっていると思いますので予めご了承ください。

イェール大学に夫が留学

yale university

私の留学理由は、医師である夫の「アメリカの名門イェール大学」への研究留学についていったのがきっかけです。交際中に留学することになったので、新婚生活がいきなりアメリカで始まった形です。

イェール大学は、東部のコネチカット州のニューヘイブンにある大学でアイビーリーグの1つでハーバード大と並ぶアメリカの名門。ブッシュ元大統領の出身大学です。

イェール大学はアメリカでもっとも歴史がある大学といわれ、キャンパスには見事な歴史的な建物がたくさんあります。大学のあるニューヘイブンは、街中がまさに大学といっていいような場所です。

インターナショナルプログラムのESLクラス

夫はメディカル・スクールのラボに通勤していました。私は当時、子どももおらず時間がありましたので、イェールのインターナショナルオフィスのような名称の外国人向けの英語クラスに通うことにしました。

そこは特に英語力は必要ではないESLの語学プログラムです。もっと本格的なイェール大学の語学研修プログラムもありますが、それではありません。

3ヶ月ぐらいの期間ごとに募集をしていて、料金も平日毎日通って全部で何百ドルだったと思います(だいぶ昔のことなので記憶があいまいです)。金銭的にカツカツだったのにもかかわらず通えていたので、数万円で済んだと思います。

通っていたのは学生というよりも、私のような配偶者が留学に来ていて、子どもがいなくて時間のある方が多いような印象でした。中には若い方もいました。

勉強をするところは、イェールのキャンパスから少し離れた邸宅を改装した場所でした。周りにも同じような素敵な邸宅が並んでいます。そこの部屋でテーブルを囲んで、英語クラスの授業を受けました。

クラスの最初にペーパーテストがあって、その成績でクラス分けがなされます。初級、中級、上級ぐらいの分け方だったと思います。初級クラスは、日本人が4人と後はフランス人の女の子とハイチ人の男性がいました。フランス人もハイチ人もフランス語が母国語です。

テキストは、市販の文法の教科書と市販のESLの教科書と子ども向けの小説のようなものでした。

正直言うと、私を含めて初級クラスの英語力はゼロに等しいもので、アメリカで一人では何もできないのではないかというレベルでした。

クラスで日本人同士は仲良くなってすぐに打ち解けました。みな英語が得意なわけでもアメリカが好きなわけでもなく、留学についてくる羽目になってしまった人たちです。

嫌でも1年以上はアメリカに住まないといけないというので、とにかくここで英語を使いこなして生きなければならないという気持ちと、特にアメリカで何かするという目的意識はなさで、モチベーションが高いんだか低いんだかよくわかないのが面白かったです。

同種のプログラムが現在もあるかどうかネットで探してみましたが、確認することはできませんでした。

インターナショナルプログラムのESLクラス

英会話の家庭教師をシェアする

私達は明日から使える英会話を教えて欲しかったのですが、そこで学ぶ英語学習はあまり実践的でなく高校の授業みたいな感じでした。

一緒に通っていた日本人の方の奥様が、イェール大学に留学されている大学の英語の先生でしたので、相談をして英語の家庭教師をみなでシェアをすればどうかという話になりました。イェール大学の新聞かなにかの広告で家庭教師を探し、そこで日本人5名でシェアをすることにしてイェールの大学院生の方のお家にいって英語を教えてもらいました。

私達以外でも、日本人で奥様や子供のために英語の家庭教師を雇っている人はいました。良い人に当たると、日本で英会話を習うよりもずっと安く教えてもらえます。私は、毎日の生活で疑問に思っていたことをメモしておいてなるべくそこで聞くことにしていました。日常とリンクしているので、印象に残りやすく勉強になりました。

ニューヘイブンの公共のESL

家庭教師と並行して、ニューヘイブン市がやっている無料の公共ESLクラスにも通ってみました。普通の学校のような教室スタイルで20~30人が1クラスで結構多かったです。そこには、いろんな国から来た移民がたくさんいて日本人はほとんど見かけませんでした。

私はYuriという名前ですが、Yuriと先生が呼ぶとクラスに4人Yuriいて、私以外はロシア人のおっさんだったのが印象に残っています。

授業では文法の教科書をやったような気がします。そこでは初級ではなくちょっと上の方のレベルでしたが、文法事項など内容は比較的簡単なものでした。あと発音のクラスもとっていました。授業はあまりおもしろいものではなかったのですが、皆、アメリカで仕事をするために必死で頑張っている様子が伝わりました。

ESL以外に、同じ建物で高卒資格をとるためのクラスもありました。不良っぽい子たちや10代で子どもを生んで高校中退したような若いママがたくさん来ていて、託児ルームもあり赤ちゃんや子どもをたくさん見かけました。

そんな感じで学校のある場所も通っている人々も荒んだ感じで、打ち解けるどころか常に緊張していました覚えがありますが、無料で毎日教えてくれるのでとてもありがたい学校でした。アメリカの多くの街では同じような公共のESLクラスがあるようです。

ギルフォードの公共のESL

ニューヘイブン市の公共のESLはそんな感じでしたが、ギルフォードというニューヘイブンから少し西に行った市で行われているESLにも行ってみました。

そこは、裕福な人々が住んでいる街でニューイングランドらしい煙突のついた素敵な家が並んでいます。そこのESLは少人数で、机を囲む10人ぐらいでやっていたと思います。

韓国人の女の子がいて、ギルフォードで、住込みで子守をするという条件で英語の勉強をしにきていると言っていました。ギルフォードのESLは落ち着いていて条件も良さそうでしたが、市の住民でなければ入れてもらえず通えませんでした。

まとめ

夫の留学先について行って通ったイェール大学の英語クラスについて書きましたが、こういったスタイルの留学もあるんだということを知ってもらえたらと思います。

本気でアメリカ留学や語学を極めたいと思っている方には、あまり参考にならないかもしれませんが、ご主人が留学されるという方やアメリカに駐在される奥様に少しでも参考になればと思います。

アメリカに行ったら英語ができると思うのは間違いで、できるだけ日本で詰め込んで英語を勉強しておいた方が絶対、効率的ということです。いろいろやりましたが日本の高校生ぐらいのことをもっときっちりやっていったら、アメリカで、もっとコミュニケーションもたくさん取れたし、英語の勉強もハイレベルなことができたなあと後悔しています。