中学生の頃から英語が大好きで、いつかはアメリカに留学したい、将来は英語を使った職業に就きたい、とずっと思い続けていました。

その夢がかなったのは、高校卒業後、数年間働いて、留学に必要な資金をやっと貯めることができてからでした。

高卒後、すぐに社会に出た私は、「やはり大学に行くべきだった。」と感じていました。

だから、留学を考えた時、既に行き先は「大学」と決めていました。

そうは言っても、4年間アメリカの大学に通うほどの資金がありません。

そこで、1年次をアメリカの大学で修了した後、日本の大学の2年次に編入して卒業する、という計画を企てました。

海外の大学で取った単位を受け入れてくれる大学があることを知ったからです。

アメリカ留学の手続きは本を頼りに全部自分で東奔西走

本を頼りに手続きは全部自分で東奔西走

資金不足のため、大学選びから、入学申請、受験、渡航手続きに至るまで全部自分でやりました。全部、留学の本に書いてあるとおりにやったのです。

一番大変だったのは、学選びでした。

「私立の短期大学で進学率の高いところ」、と自分なりの基準を立ててはいたのですが、全米の膨大な数の短大の中から1つを選ぶのですから。

近くに相談する相手もいない私は、出身校の恩師など、あちこち訪ねて意見を聞きまわりました。

そして、悩みに悩んだ末、マサチューセッツ州ボストン郊外のウースターにある全寮制短期大学に決めました。

全部自分で、というのは孤独な道のり。相談できる経験者が近くにいたらそれが一番と思います。

「マクドナルドに行きたい」という英語さえ通じない

「マクドナルドに行きたい」が通じない

やっと念願叶い、アメリカに到着。大学の敷地内にある、お菓子の家のような寮でアメリカ暮らしが始まりました。

大学には、私の他に8名の日本人がいましたが、寮での日本人は私ただ一人。

日本では英語ができるつもりでいたにも関わらず、寮の皆が話している会話がほとんど分かりませんでした。

私に話しかけてくれるときはわかるけれど、アメリカ人同士の会話が分からない。

スラングや砕けた表現満載の会話では、発音がほとんど聞き取れない。その上、伝えたいことがきちんと通じない。

「マクドナルドに行きたい」と言っても、「マクドナルド」の発音が違いすぎてわかってもらえない。「SUBWAY」で店員にパンの種類や具材、調味料のチョイスを聞かれても、全く分からずただ笑うだけ。

日本にいながらCDで「学習していた英語」とアメリカにいるアメリカ人が話す本場の英語はそれほどかけ離れていたのです。

ひたすら勉強に明け暮れる毎日

勉強漬けの毎日

そんな私でも授業の方は問題なく理解することができました。

先生が話す英語はスピードもゆっくりで、テキストに出てくるような英語だったからでしょう。

1学期には文学、社会学、心理学などの一般教養科目を6科目登録しました。中でも、心理学に興味を持ち、様々な心理学コースを選択科目として取ったため、リーディングとライティングの課題に毎日追われることになりました。

実際、他の日本人留学生も皆、勉強、勉強の毎日でした。それだけ時間を費やさなければついていけなかったのです。

それでも、そんな勉強生活はウィークデーのみ、週末はアメリカ人学生と近くの大学のパーティーに行ったり、地元の交流イベントに参加したり、と様々な体験をすることができました。

冬期・春期休暇などの長い休暇期間には寮を出なければなりません。

休暇中はアメリカ人学生の家でホームスティをする、日本人仲間と西海岸に飛びUCLAでサマーコースを受講する、などして住むところを確保しました。

そのたびにダンボール数箱もある荷物は留学生アドバイザーの家に預けて。

アメリカ留学中に必死で勉強した内容が熟成されて英語力に

1年間のアメリカ留学で得られた一番大きなことは、どんな状況に置かれても臨機応変になんとかやっていく適応力です。

ある意味閉ざされた世界である全寮制キャンパスの中で、人種に関わらず性格が合う人も合わない人も含め様々な人達と共に学び生活することで「違っていても理解し、受け入れる」柔軟性も身についたと思います。

留学中は英語を話すよりも読んで書く時間の方が格段に多く、帰国直後はそれほど英語が話せるわけではありませんでした。

しかし、その後日本の大学に編入し、英語学習を続けるうちに気がつくと外国人と対等に英語でわたり合えるようになっていました。

今思えば留学中に必死で勉強した内容が頭の中で熟成されある日突然、コミュニケーションの力になったのかもしれません。

これからアメリカ留学するあなたへ。

英語を身につけるためにはその先にある目的を決めること、そして「英語を」学ぶのではなく「英語で」生活することが大切だと思います。

大学に入学したり、ワーキングホリデーで仕事をしたり、英語しかない状況でなんとかやっていくこと。

そうすれば知らないうちに英語力が自分の中で育っていくのだと思います。