私がフィジーに留学するまでの経緯はいくつかの理由があります。まず他の人が行かないような国で留学をしたい、せっかくなので思いっきり変わった国の文化を体感したいといったところからです。過去にあったテレビ番組のウルルン滞在記に憧れていたのもあります。

また、すでにフィジー留学の後にはカナダ留学が決まっていたので、私にとっては通過点としての留学でもありました。

加えてフィジーを選ぶことで結果としてはかなり留学費用を抑えることもできました。おまけに綺麗な海が大好きだから、などといった留学には若干関係ない理由もありましたが。

実際にメジャーな国以外の留学で英語は学べるの?

まず結論から言うと、当然アメリカやイギリスなどの英語圏ネイティブの国に留学するにこしたことはないですが、ネイティブと話す練習ができるかは別問題です。

練習する場や回数に関してはひょっとすると英語留学のメジャーじゃない国ほど盛んかもしれません。フィジー自体は小さな国ながらも公用語は英語なので、日常的に英語に触れることができます。

何よりもフィジー人は陽気な性格であるのと、治安も大変安定しているので安心して留学できました。現に滞在中は毎日10人以上の知らない人と話すことも日常茶飯事。私はこのフィジーの後にアメリカやカナダへも留学をしましたが、その国にいるのに1日ネイティブと話さない日もあったのも事実です。

その点を挙げれば英語留学のメジャーな国よりも、はるかに英語を話す練習はできるのかもしれません。個人的にはメジャーな国とそうじゃない国どちらも行くことをお勧めします。

島国留学(リゾート留学)での現地の生活はどう?

島国留学(リゾート留学)での現地の生活はどう?

おそらく島国などのリゾート地での留学は流行ってもいますから、実際どうなのかを多くの方が気になると思います。

私は語学留学を目的としてフィジーへ留学しましたが、滞在方法は現地フィジー人家庭でのホームステイでした。

後にも先にもこの時のフィジー人家族と過ごした日々は一生の思い出です。フィジーの中でもわりと裕福層の家庭にホームステイしたのですが、日本人の私たちの感覚からするととても豊かとは程遠いものがあると思います。

おそらくこういった田舎の島国の留学は向き不向きが大きく分かれるということです。

部屋には飼いクモ、シャワーはトカゲと一緒

私は三ヵ月近くフィジーに滞在しましたが、おそらく感覚がマヒしてきたのだと思いますが、人生で初めて部屋でクモを飼っていました(笑)。というかクモのいる部屋に私が居候していたというほうが合っているのかもしれません。シャワーをトカゲとともに浴びるなんてことも。

でも毎回同じクモやトカゲを見かけていると次第にポジティブになり、家族同然にもなってきました。これもある意味の異文化留学であり、醍醐味であるんだろうなって思います。

当然都会の刺激なんて一切ないですが、大自然が見せてくれた絶景は今も脳裏に焼き付いています。そんな環境で英語以上の適応力を身につけることができたと強く思います。

通学はヒッチハイクまたは徒歩90分

テレビなどでインドの満員電車を見たことがありますか?

私のフィジー留学中は山のふもとの高級住宅街にホームステイしていました。当然フィジーの物価からしてですので大げさに言えば壁とドアがきちんとある家に住んでいるといったところでしょうか。

そこから山を下るためのバスに乗っての毎日通学のはずなのですが、バスが毎朝インドの満員電車状態なのです。いつも諦めて歩いていくこととなるのですが、そもそも南国での暮らしは目覚ましなくとも鳥のさえずりと近所のさわやかなレゲェ調のミュージックで目覚めるので6時にはいつも起床。

7時くらいには家を出ていたので特にストレスなく、むしろハイキングをしている気分で楽しんで通学をしていました。90分なんてあっという間に歩けます。とても日本ではしようとは思えませんが(笑)。

おそらく毎日5km以上の道のりを歩いていたと思います。慣れたころにはなんと毎朝知らない人が自ずと車に乗せてくれることも。決まり文句は「俺は毎日君が山を下るのを見てるんだ。街まで乗るかい。」

時にトラックの荷台や出勤前のパトカーに乗せてもらうことも。のどかな国のそんなあたたかい人との日々の交流が僕の英語の実践の場でもありました。

フィジーで学べたのは英語力より交流することの大切さ

フィジーで学べたのは英語力より交流することの大切さ

フィジーで通っていた語学学校でも当然たくさん英語の勉強をしました。しかし英語よりもフィジーではもっと大事なことをたくさん学びました。それは生きる上でお金なんて手段でしかなく実は幸せはもっと身近なところにあるということです。

一番には「交流すること」の大事さを家族間の愛を通じ教えられたような気もします。きっとこの教訓こそ怖がらずに英語を使う源にもなり、より多くの人と交流することに繋がり、のちに英語力の上達にもつながったような気もします。

こんな話はおそらくフィジーでのホームステイ経験者だけでしょうが、フィジー留学後に向かったカナダで恋しくなったのはフィジーの家族。日本の家族よりもフィジーの家族が恋しくなったのです。

3ヵ月毎日会っていたフィジーの家族、きっと先進国のように当時はWi-Fiすらもきちんとなかったので、夜は家族と話したり、芝生で星空や月を眺めながら話すのも当たり前。いつしか先進国に留学した時に南半球のあの島に行かない限りもうあの日々は戻らないんだと考えるだけで悲しかったのです。

ホームシックならぬフィジーシック。でもそれだけ多くの愛情をたったの三ヵ月で息子、家族同然に注いでもらった証なのだと思います。今でも心が温かくなるような思い出です。

フィジーなどの変わった国での留学はアリ?

フィジーなどの変わった国での留学はアリ?

私自身は実は、フィジー以外にアメリカやカナダでの留学の経験もあります。留学を経て外資系企業にも勤めることとなるのですが、私から率直に言わせてもらうと、アリです。

長いようで短い人生の中でまず留学をできるチャンスとタイミングに誰もが恵まれているとも限りません。当然金銭面に余裕があればアメリカやイギリスなどのメジャーな都市もおすすめですが、安く済ませたい人は田舎だったりフィジーのような他の人があまり行かない国がおすすめです。

特にフィジーなんかの陽気な島国では人間性をもたくましく磨かれるはずです。ある日フィジーの定食屋で頼んだスープに虫が入っていました。「虫が入っているよ」と英語でおばちゃんに伝えたところ。「なーによ、怖がっちゃってー!ほら。」スープに指をズブっとつっこんで、笑顔で虫をとってくれました。

郷に入っては郷に従えという言葉がありますが、南国では虫は当然。むしろおばちゃん熱くなかったのかなって心配になったほど。英語力と同時に人間力をも磨かれたフィジー留学となりました。

フィジーの食事