カナダ留学から現地就職を目指している方であれば、「ポストグラデュエートビザ(ポスグラ / PGWP)」について一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

2024年11月以降、大学の学位(学士号=約4年間、修士号=約2年間)を持たない専門プログラム修了者がPGWPを申請するには、専攻分野が限定されるという新たな条件が加わります。

対象となるのは、カナダ国内で長期的な人材不足が指摘されている以下5分野です。

  • Agriculture and agri-food(農業・アグリフード)
  • Healthcare(医療・ヘルスケア)
  • Science, Technology, Engineering and Mathematics(STEM)
  • Trade(貿易・職業訓練)
  • Transport(運輸)

もちろん、これらの分野であっても、PGWPを使って確実に就職できる、あるいは永住権が得られるといった保証はありません。

ただし、少なくともPGWPを通じてカナダでの就労を目指すうえでは、これらの分野を選ぶことが大きな一歩になるのは間違いないでしょう。

今回は、こうしたPGWP取得の条件を満たしやすく、実践的な教育で現地就職にも強いとされるカナダの工科大学、BCIT(ブリティッシュコロンビア工科大学)をご紹介します。

BCIT(ブリティッシュコロンビア工科大学)の特徴

BCIT Logo

実践力を重視したカナダの進学先を探しているなら、BCIT(ブリティッシュコロンビア工科大学)は要チェックです。ここでは、BCITの特長を7つのポイントでご紹介します。

  1. BCIT(British Columbia Institute of Technology)は、1964年に設立されたカナダの公立工科大学で、バンクーバー近郊のバーナビーにメインキャンパスを構え、他にも5つのキャンパスを運営しています。

  2. 「Institute of Technology(工科大学)」とは、伝統的な大学とは異なり、学術研究よりも即戦力となるスキルや知識の習得に重点を置いた実践的な教育を提供する高等教育機関です。BCITはカナダ国内でも高く評価されており、多くのプログラムが現地の学生からも高い人気を集め、場合によっては入学待ちが1年に及ぶこともあります。

  3. BCITには約5万人の学生が在籍しており、そのうち約6,500人が留学生です。全体の約8割の学生が社会人経験を持っており、大学卒業後に進学する学生も多く、年齢層が高めなのも特徴です。

  4. 理論だけでなく実践を重視したカリキュラム構成により、即戦力としてのスキルを身につけた人材が育成されており、卒業後の就職率はおよそ96%と非常に高い水準を誇ります。

  5. BCITの卒業生が取得する初任給の平均は約65,000カナダドル(約520万円)と、条件面でも非常に恵まれています。

  6. BCITの2年制ディプロマ(Diploma)プログラムでは、通常の大学で取得する学士号(約120単位)と同等の単位を履修します。このため、2年間で同等の学修成果を得られるBCITの卒業生は、現地企業から「優秀な人材」として高く評価される傾向があります。

  7. クラスは16~25名と少人数制で、教授やクラスメイトとの距離も近く、集中して学べる環境が整っています。

BCITで日本人学生に人気の2年制ディプロマコース(PGWP対象)

BCITはiae留学ネットの重要な提携校のひとつであり、出願・入学手続きのサポートはもちろん、年に2回開催されるカナダ大使館主催のカナダ留学フェアでもBCITのサポートを担当しています。

BCITへの留学希望者の傾向をふまえ、日本人学生に特に人気のある2年間のディプロマコース(ポストグラデュエート・ワークパーミット=PGWP対象)を以下にご紹介します。

Business & Media分野

本来ビジネス分野はPGWP対象外ですが、STEM(特にコンピューター分野)に近しい内容であれば対象になる場合があります。

たとえば、「Business Information Technology Management」や「New Media Design & Web Development」などが該当します。

Computing & IT分野

希望の多い「Computer Science」という名称のコースはありませんが、近い分野として「Computer Information Systems Administration」「Computer Information Technology」「Full-stack Web Development」などがあります。

また、サイバーセキュリティ分野では「Industrial Network Cybersecurity」がPGWP対象です。

Engineering & Trades分野

希望者数はビジネスやIT分野に比べて少なめですが、この分野を志望する方には、「Digital Communications and Wireless Technologies」「Aircraft Maintenance Engineer」「Airline and Flight Operations」「Commercial Pilot」「Aviation Management Operation」などが選ばれています。

BCIT 2年制ディプロマコースの学費と出願要件

BCIT(ブリティッシュコロンビア工科大学)のディプロマプログラムは、他の大学やカレッジと比較しても非常にハードな内容で知られており、学生には高い集中力と努力が求められます。

2年間で修了を目指す超集中型のプログラムであるため、出願要件もやや高めに設定されています。

まず英語力については、出願時にIELTS 6.5~7.0相当のスコアが必要です。英語スコアが基準に満たない場合は、BCIT付属の英語コースや、バンクーバーにある提携語学学校で所定レベルを修了することで要件を満たすことが可能です。

また多くのコースが理工系の分野に該当するため、出願には「高校での数学・物理などの履修歴」や「大学での関連科目の履修経験」、あるいは「関連する実務経験」などが求められることがあります。

さらに、いくつかのフルタイムコースでは留学生の受け入れ枠が設けられており、特に人気の高いComputing & IT分野では出願受付開始後すぐに締め切られることもあるため、早めの準備が必要です。

学費は2年間でCA$48,000〜49,000(約480万〜490万円 ※2025年5月時点)が目安です。

参考までに、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の理系学部の学費は年間約CA$51,000、サイモンフレーザー大学(SFU)では年間CA$36,000程度であるため、BCITはコストパフォーマンスに優れた選択肢といえるでしょう。

ポスグラ(PGWP)以外の現地就労機会

BCITでは、先に紹介したコースを含む約300のコースが開講されています。ビジネス分野だけでなく、アート&デザインや建築学などのコースもありますので、ぜひ多様な選択肢をご検討ください。

ただし、上記の専攻分野以外のコースはポストグラデュエートビザ(ポスグラ/PGWP)の対象外となるため、卒業後の就労機会がないわけではありません。

例えば、卒業後にカナダのワーキングホリデービザに切り替え、再入国することで就労権を得ることが可能です。ワーキングホリデービザは、卒業時に18〜30歳であれば申請可能なので、スケジュールプランに余裕があればぜひ検討してみてください。

また、BCITはキャリアサポートが充実しており、多くの企業を学内に招待し、ジョブフェアを開催しています。ビザの条件を満たしていれば、ポスグラビザにこだわらず現地就労を目指すことも十分に可能です。

BCITをご検討中ならiae留学ネットまでお気軽にご相談ください

カナダでのポスグラや現地就職への近道となり得る留学先としてBCITをご紹介しました。

BCIT(ブリティッシュコロンビア工科大学)に興味をお持ちの方や、出願条件について詳しく知りたい方は、ぜひiae留学ネットまでお気軽にご相談ください。