【イギリス進学】IELTS Academic試験対策とPre-Sessional English(プリセッショナルイングリッシュ)について

イギリス大学進学、イギリス大学院進学、イギリス大学での学部履修(スタディアブロード)など、大抵のイギリス留学プランには留学希望者の英語力試験のスコア証明が必要です。

そして多くの場合は「IELTS Academic(アイエルツ・アカデミック」が最も信頼されている試験として各大学が採用しています。

出願手続きをスムーズに進め、目標とするコースの合格(Unconditional Offer)を勝ち取るためには、単なる語学対策だけでなく、試験システムの理解や効率的な受験スケジューリング、そして目標スコアの正確な把握が不可欠でしょう。

こちらのコラムではIELTS Academicの基本構造から、ブリティッシュ・カウンシルの公認情報に基づく試験当日のパフォーマンス最大化テクニック、留学プラン別の要件スコア、さらにスコアが届かない場合の救済手段である「Pre-Sessional English」まで紹介していきます。

IELTS Academic試験のポイント

IELTS(International English Language Testing System)は、世界140カ国以上で採用されている国際的な英語力評価試験です。

イギリスの大学・大学院のほぼ100%の機関で正式な英語証明として認められています。

4技能の総合的なアカデミック英語力評価

IELTS Academicは、大学での講義受講、論文作成、ゼミでのディスカッションなど、高等教育機関で必要とされる実用的な英語力を測定します。

Listening(30分 / 40問)

講義やキャンパス内での会話など多様なシチュエーションが出題される。イギリス英語に限らずオーストラリアやアメリカなど多様なアクセントが含まる

Reading(60分 / 40問)

学術的な書籍、雑誌、論文などから抜粋された長文3題を読み解く。単語の言い換え(Paraphrasing)を見抜く力も必要

Writing(60分 / 2課題)

Task 1(グラフや図表のデータ分析・要約、150語以上)とTask 2(与えられたテーマに対する論理的エッセイ、250語以上)で構成される

Speaking(11〜14分)

面接官との1対1の対面(またはオンライン対面)形式で実施され、日常会話から社会的なトピックに対する意見表明まで幅広く評価

ペーパー版(Paper-based)とコンピューター版(Computer-delivered)

  • ペーパー版は2026年8月の実施を持って廃止されたので、現在はコンピューター版での受験となります。
  • コンピューター版のメリットとしては結果発表が早く(約1週間程度)、タイピングでWritingの推敲や語数カウントが容易、試験日程・時間帯の選択肢が豊富である点です。

IELTS試験におけるテクニック(試験予約と当日のセッション選択)

まずはコンピューター版の試験に備えて「タイピング」「画面でのリーディング」といった作業に慣れておくことが大切です。

また試験当日に日頃の学習成果を発揮するためには、自らの体内時計や集中力の波に合わせた「試験予約のセッション選択」が極めて重要です。

ブリティッシュ・カウンシル等の試験実施機関では、受験者のライフスタイルに合わせた時間帯設定が提供されています。

IELTSのセッション構造

IELTSの試験は、筆記3技能であるLRW(Listening / Reading / Writing)のブロックと、対面で実施されるSpeakingのブロックに分かれます。予約時には大きく分けて2つのパターンから選択可能です。

<パターン①>Morning Session(午前LRW / 午後Speaking)

午前中に筆記3技能(LRW)を一気に受験し、午後にSpeakingテストを受けるスタイルです。

こんな方に
おすすめ
朝が得意な「朝型」タイプの方
メリット頭が最も冴えている午前中に集中力の必要なListening・Reading・Writingを終わらせることができます。午後早めの時間にSpeakingを予約することで、1日でスムーズに全試験を完了できる

<パターン②>Afternoon Session(午前Speaking / 午後LRW)

午前中にSpeakingテストを受け、午後に筆記3技能(LRW)を受験するスタイル(特に午前遅めのSpeakingを設定)です。

こんな方に
おすすめ
朝が苦手な「夜型」タイプの方
メリット早朝からの長時間の筆記試験を避け、身体と頭が十分に起きた状態で午後からのLRWに臨むことができる

試験予約時の重要ポイント

Speaking時間帯のカスタマイズ

空き状況に応じて、Speakingテストの時間帯を自ら選択できる場合があります。

待ち時間の最適化

LRWセッションとSpeakingセッションの間の待ち時間が長すぎると、集中力が途切れたり精神的な疲労が蓄積したりします。できる限り空き時間が長くならない自然な組み合わせを選ぶことが、パフォーマンス維持のコツです。

イギリス留学プラン別の出願必要IELTSスコア要件

留学生がイギリス大学へ出願する際には、希望するコースやレベルに応じてIELTS Academicスコア要件が設定されています。

また総合スコア(Overall Band Score)だけでなく、各サブスコア(Listening, Reading, Writing, Speaking)にも最低基準(例:各セクション5.5以上など)が設けられていることが一般的です。

以下の表は、一般的なイギリス留学プランごとの必要スコア目安です。

大学進学準備(Foundation)
  • 総合スコア:5.0 ~ 5.5
  • サブスコア:各5.0以上

※イギリスのビザ要件(UKVI)を満たすIELTS for UKVIが必要となる場合がある

大学本科直接入学(Undergraduate)
  • 総合スコア:6.0 ~ 6.5
  • サブスコア:各5.5~6.0以上


※人文系・法律・医学・トップ大学(ラッセルグループ等)では7.0以上を求められるケースがある

大学院修士直接入学(Postgraduate)
  • 総合スコア:6.5 ~ 7.0
  • サブスコア:各6.0~6.5以上


※MBA、MBA関連、教育学、開発学などは7.0〜7.5が必要とされる傾向にある

スタディアブロード
/ 学部履修
  • 総合スコア:6.0 ~ 6.5
  • サブスコア:各5.5~6.0以上


※日本の大学を休学して現地の学部授業を履修するプラン。履修希望学科の専門性に準ずる

イギリス各留学プランの解説

大学進学(Undergraduate)

日本の高校を卒業して直接イギリスの大学本科へ進学する場合(Year 1直接入学)や、Foundation Course(進学準備コース)経由で進む場合で要件が異なる。

大学院進学(Postgraduate)

  • 修士課程(Master's Degree)では、より高度な批判的思考(Critical Thinking)と自立した研究能力が要求されるため、IELTS 6.5以上が標準です。
  • 特にWriting能力が重視される傾向にあり、Overallでも6.5~ 7.0という条件が付されることが一般的です。

スタディアブロード / 学部履修(Study Abroad)

  • 日本の大学に籍を置きながら、1学期〜1年間イギリスの大学で現地学生とともに専門科目を履修するプログラム
  • 現地学生と同じ講義・セミナーに参加するため、大学本科生と同等のIELTS 6.0〜6.5レベルが要求される

Pre-Sessional English (プリセッショナル・イングリッシュ) とは?

出願時点や合格通知(Conditional Offer:条件付き合格)を受け取った後に、大学の規定スコアにわずかに届かない場合の、オプションのプランとなりえるのが「Pre-Sessional English(プリセッショナル・イングリッシュ)」です。

Pre-sessional Englishの概要

Pre-sessional Englishとは、主にイギリスの大学で、本科コースの開始直前(主に6月〜8月の夏期期間)に開講される大学・大学院進学予定者向けのアカデミック英語準備コースです。

期間は出願者の現在のIELTSスコアと規定スコアとの差に応じて、4週間・6週間・10週間・15週間など幅広く設定されています。大学により「対面受講版」と「オンライン版」があります。

Pre-sessional Englishのメリット

1. IELTS再受験なしで無条件オファー(Unconditional Offer)へ昇格

最も大きなメリットはPSEを規定の成績で修了することで、IELTSのスコア提出は不要で大学・大学院への正式な入学許可が得られる点です。

2. 実践的なアカデミック・スキル(Academic Literacy)の習得

単なる付け焼刃的な語学学習にとどまらず、イギリスの大学教育で必須となる英語スキルを習得できます。

  • Academic Writing:適切な文献の引用・参照、盗用防止ルール、論理的なエッセイ構造の構築
  • Seminar & Presentation:ディスカッションの進め方、プレゼンテーションの構成と質疑応答
  • Research & Lecture Note-taking:講義の要点ノート作成法、図書館やデータベースを活用した文献調査

2. 環境への事前適応とネットワーキング(特に対面受講版の場合)

本科がスタートする前に現地のキャンパス環境、生活習慣、大学の学習システムに慣れることができます。また同じ進路目標を持つ他の留学生と事前にコミュニティを作ることができます。

「Pre-Sessional English」と「Pre-Masters」

Pre-Masters (プレマスター) は主にイギリスの大学院で、学術面と英語力面での出願要件を満たさない留学生向けに開講されている、大学院進学準備コースです。

大学院と専攻分野別にプログラムがあり、留学生がスムーズにイギリス大学院での履修についていけるように、リサーチスキル、専攻分野での基礎修士レベルの科目、そしてアカデミック英語を学びます。期間は6か月間から9か月間ほどを要します。

「Pre-Sessional English」か「Pre-Masters」か

留学エージェントによっては無条件にプレマスターを薦めるところもありますが、あくまで英語力面だけでなく学術面も大学院の出願要件に届かない場合に検討するべきでしょう。

プレマスターの方が期間や費用のコストは当然高くなります。英語力要件のみが足りないのであればPre-MastersではなくPre-Sessional Englishを考えた方がリーズナブルな留学プランを実現できるでしょう。

まとめと次のステップ

イギリス留学や大学進学を成功に導くためには、出願志望校のIELTSや学術要件を早期に把握して、逆算したスケジュールで対策を進めることが不可欠です。

試験予約の工夫をしよう

自身の集中力のピークに合わせて「Morning Session」または「Afternoon Session」を選択して待ち時間の少ない日程で受験する

出願戦略を確立しよう

目標スコア獲得を目指すと同時に、万が一に備えてPre-sessional Englishコースの申込み締切や要件スコアも確認しておく

適切な準備と戦略的なアプローチを通じて、理想的なイギリス留学を実現させましょう。

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海外進学は高いハードルがあるように思えますが、語学力、成績が少し足りない留学生のための道、パスウェイがあります。

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