イタリア留学体験談、やっぱり事前の準備は必要です

イタリアに留学に来たのはもう12年前の話です。日本を出る時、イタリア語は語学学校に週1回のクラスを1か月くらい通っただけなので必要最低限以下の状態で旅立ってしまいました。

しかし、イタリアへのイメージとしてはアルファベットを使う国だし、イタリア語が分からなくても私程度の英語でもなんとかなるだろう、などとのんきに構えていました。

イタリアはかなり英語が通じない

私が降り立った町がいわゆるミラノ、ローマなどの大都市ではなく北イタリアの人口16万人くらいの小さな都市だったせいもあるかもしれません。英語が全く通じない事実が分かった時はかなりの絶望感を味わいました。

簡単な英語も通じません。中には英語を話してくれる人もいるにはいるのですが、イタリア語読みの英語なので自分を棚に上げてですが、イタリア人の英語が非常に分かりにくく本当に困りました。

例えば、英語で書くPrivateはプライベートと読みますね。イタリア人はこの英語のプライベートをイタリア語読みしてプリバーテなどと言ってしまいます。ではこの英語のプライベートをイタリア語で何というかというと少し似ていてPrivataと書きます。しかしこの発音はプリバータです。耳だけで聞くと全く違います。

こんな例はたくさんあり、ハンバーガーはHを発音しないのもあり、アンブルゲルとなり、データ(data)はダータ、バックアップ(Back up)がベカップ、サッカー(Soccer)がソッチェルとなります。

「イタリア語読みで全然分からない英語だなー」なんて思っていると、こちら側にも落とし穴があります。日本語とイタリア語はどちらも単語が母音で終わるので日本人にとってイタリア語が、イタリア人にとって日本語が発音しやすいのですが、時々、子音で終わる単語があり、それについてはけっこう厳しく問い詰められます。

例えば、北を表すNordは日本人だとつい「ノルド」と言ってしまいますが、イタリア人にとっては最後の「ド」が気になるようで、「ノルドゥッ」とdの発音を直されます。同じように南を表すSudも同じです。「スッド」と言ってしまう私たちに「スッドゥッ」としつこく直されます。

イタリア語が話せないと生活は大変!

ということで、英語が使えないのでイタリア語をブラッシュアップしていかないことには生活が大変です。

はじめのうちは、パン屋さんに行っても「これください」の「これ」さえも言えず、ただ指をさして、にっこり笑って、レジでうたれた数字を見てお金を払い…。とにかくちょっと簡単なことを言えばコミュニケーションがスムースに行くところもちょっとした言葉が出ないばかりに沈黙が続き、なんだか気まずい感じになってしまいます。

イタリア人はおしゃべり大好きな国民性なのでしゃべらない外国人を相手にするのは大変だと思います。また、日本と違ってイタリアは個人商店も多く、会話を弾ませながらお買い物をすることも多いので、「この生ハムを何グラムください」という時の数字なども慣れるまでは大変です。

ただ、幸いなのは、重さ、長さ、速度、温度(摂氏)などの単位が日本と同じだったことです。アメリカだと、オンスやポンド、マイル、温度に関しては華氏表示なので語学に加えてストレスがもっとかかったことでしょう。

頑張ってイタリア語を話せばフレンドリー

しかしイタリア語が上達してくると生活の快適度も同じように上昇していきます。中には外国人と接することも少なく苦手な人もいるのでちょっと怪訝な顔をされることもありますが、大抵は一生懸命こちらがイタリア語を話そうとすると相手も懸命に聞いてくれて、何を言おうとしているのか考えてくれます。

先に書いたようにおしゃべり大好きな国民性なので個人商店などで買い物をするとまず挨拶、そして「どう?今日も元気?」「そういえばこの間はね…」とか「日本でもこれは有名なの?」などなどいろいろ質問されます。

それに答えられるようになり、そしてちょっと相手をよいしょできるような話術までもできるようになったらほぼ対等です。

多少の準備はしておいたほうが良い

ノープランで挑戦した私のイタリア留学は、準備不足による絶望スタートではありましたが、それでもイタリアは私を受け入れてくれました。

イタリアという国、国民性は、他人と関わるのが好きな方ならすぐに順応するかと思います。結果的に、私のイタリア留学は大成功に終わり、素晴らしい経験ができました。