就職活動で留学経験を上手にアピール、企業の人事部の心を動かす方法

「留学=英語(語学)が出来るようになる」と考える人が大半です。しかし、コレは少し事実とは違います。

留学の期間にもよりますが、留学してもしなくても英語が出来る人は実際たくさんいます。第2言語が自由自在に使えれば就職にプラスになる事は間違いないでしょう。特に英語に関しては、今までは「出来たら就職に有利」だった時代から、いずれは「英語が出来ないと不利になる」時代になるように感じます。

現に、2010年代から徐々にそれは始まっています。

就職活動に留学は本当に有利なの?

実際、英語を勉強する為に留学する人はたくさんいらっしゃいます。しかし、英語の能力と共に留学経験で体験した事や海外に触れる事こそが、就職活動に有利になっているようです。

逆に、留学は就職の時期で不利になるという人もいるのも事実です。採用日程が決定していて、その期間しか受け付けない企業も確かにあります。就職する業界にもよりますが、必ずしも留学が就職活動に不利になる事もありません。

この問題を解決すべく、企業も留学生枠や留学生専門の就職フェアを行うなど、期間をずらして留学経験者の採用を画策しています。

企業が留学生の就職のために

株式会社マイナビが2016年10月に新卒採用実績のある国内2,716社が回答した「2016年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によると、2016年卒の採用で日本人留学生を採用した割合は全体の7.9%、また、上場企業では19.3%と対前年比1.6ポイント増加しています。

そして、2017年卒(2016年4月~2017年3月卒)の日本留学生を採用する予定がある企業は全体の9.6%、上場企業に関しては19.6%との事。また、検討している企業は26.1%にも上り、全体の35.7%の企業が日本人留学生の採用をしたいと考えているとの事です。

留学をしたら就職に有利と考える人の多くは、大手企業や英語を使う仕事、海外と関わる仕事などに就職したいと考える人が多いと思います。一般的に考えても、就職時に英語が出来て不利になる事はないので、語学上達を目指し留学する事はオススメです。

しかし、上にも述べたように、企業が日本人留学生を採用したいと考えるのは語学能力が高いだけではありません。

実際に人事担当者が留学した学生の強みと考えているポイントは何か

様々な就職活動サイトによると、下記の5つが新卒に求めるスキルだと言えそうです。

  • コミュニケーション能力
  • 語学力
  • バイタリティー
  • ダイバーシティ(多様性)
  • ストレス耐性

企業の人事が、就職活動を行っている学生に今一番求めている能力は「コミュニケーション能力」です。社内だけではなく、お客様、クライアントと意思疎通をはかる為にも必要な能力です。

企業もグローバル化が進む中、外国人の上司やクライアントと仕事を一緒に行う機会も今まで以上に増えるでしょう。留学経験者は異文化や様々な国籍の人とコミュニケーションをとる事に不安を感じる事も無く、また留学を経験する事で身につく国際感覚やダイバーシティなどにも長けています。

既存の価値観にとらわれない柔軟性や語学力も、もちろんコミュニケーション能力の一部含まれます。人事担当者はこういった、いい意味で日本人らしくない点を積極的に評価しています。

留学をすると、日本では当たり前と思っている事が通用せず、困難に合う事も多くあります。その対応策を考えたり、交渉したり、諦めずにその課題に向かう姿勢や乗り超える力、その成長してきた過程と実績を企業は高く評価しているようです。

実際の就職活動では留学経験について何を聞かれるのか?

人事の担当者が留学経験者に何を求めているのか?実際に、様々な企業へ面接に行き、就職活動で留学していた学生が人事の方によく質問された内容をアンケートしました。

  • なぜ留学に行ったのか?
  • 英語はどうやって勉強したの?
  • 留学を通して一番成長した事は?
  • 留学生活での失敗や苦労した体験は?
  • 留学で得たことを教えてください。
  • 留学をして一番良かったことはなんですか?
  • 留学中の印象的なエピソードを教えてください。
  • 留学先ではどんな活動をしたの?
  • 外国人学生と日本人学生の違いは?
  • 第2ヶ国語はなに?
  • 留学先以外の国で興味のある国は?
  • カルチャーショックはありましたか?

就職活動の際に人事の担当者は英語や語学のレベルの確認をすると共に、なぜ留学すると決意したのか、また、自分が選択した道でどのような成長を遂げたのか、また成長する力があるのかがなどを知りたいと考えている方が多いと思います。

留学を就職に生かすためには、語学以外のことで自信を持ち質問に受け答えするよう今まで経験した些細な事でも思い出し、アピールできるように準備をしてください。留学を有利にするにも、不利にするにもあなた次第です。

就職活動で人事の心を動かす留学経験のアピールポイントとは?

経歴やスキル、人間性はもはや当たり前の項目です。協調性や柔軟性も、特に留学生に限って求めるものではありません。企業の人事が留学経験者、就職活動生に求めるものは、一言で言うならば「ならでは」です。

あなたならではの経験、あなたならではの視点、あなたならではのアイデアなど、社員のだれとも重複しない「実体験」を仕事に活かしてくれることを一番に求めているはずです。そして、そのことにあなたが費やした「時間」を評価しています。

海外留学の際は、学業以外の部分もあますところなく楽しんで下さい。日本を離れるだけでも大きなチャレンジであり、あなたにとっての強い武器になります。各国、各学校も、そういったニーズに応えるべく、数えきれないほどバラエティに富んだプログラムを用意しています。

海外留学に行く前からしっかり目的を定めて、納得がいくプログラムを可能なかぎり吟味して下さい。それこそがあなたの将来を作る第一歩となるはずです。